駆動系
                    
 
 これまでの駆動系のページは、いまいち何だかよくわからないのでこの際更新することにした。
 一応削除はしてないけど、どうしても見たい方はこちら

駆動系再考・・・
 Gアク弄り始めて以来、駆動も随分弄ったが、ただ闇雲に部品交換したり、削ってみたりしても、なかなかイメージ通りの駆動にはならない。やはり、駆動系はEgの特性まで含めて、トータルで考えなければならないので、部分的に弄っても結果につながりにくいのだと思う。ではどうすればいいのか?まぁ、ソコが分かれば苦労はないのだが、とりあえず、

 ・ワイドな変速レンジを持つプライマリ
 ・プライマリの変速範囲をカバーできるセカンダリ
 ・最適なベルトの選択
 ・変速特性の最適化
 ・クラッチ
 ・ファイナル

この辺をポイントに考えてみる事にする。
補足だが、部品ポン付けできない末期患者なので、あくまで『加工を前提とした』改造を想定している。
結局、「部品ポン付けの方がイイ結果になる」事もあり得るが、ソコは自己満足の世界なので・・・・ 爆

 
・プライマリ
 プライマリと一言で言っても、構成要素はプーリ、フェイス、WR、ランプレ、ボス、ワッシャと複数有り、これらの組み合わせで諸々の特性が決まってくる訳だが、やはり最も重要なのはプーリの特性であろう。
 プーリの特性として、ワイドな変速レンジを確保しようとすれば、WRの移動量を増やすか、シーブ面の角度を変更する必要がある。
シーブ面の角度を変える方法は、以前さんざん試したが、ベルトに対するストレスが異常に増え、極端にベルトの寿命が短くなると言う結果になったので、後で様子を見ながらやることにしよう。
 とすると、WRの移動量を増やすと言う事になるのだが、これも、低速側の加工と高速側の加工があり、高速側ではランプレによる
移動限界を、低速側ではWR同志の干渉による制限を考慮しなくてはならない。
 そしてもう一つ、今回考慮したのはボスの外径である。当然の事ながらプライマリ側でのベルトの落とし込みの限界は、ベルトがボスに接触する直前と言う事になるので、ボス径は細いほど有利なのだ。だが、機械的な強度や素材の入手性もある程度考慮する必要があるので、今回は純正より細いマロッシのボスを採用する事にした。
 
キタコJOG用細軸PD3改 WR3室マロボス仕様・・・   基本的にプーリは90系の物を使っていたのだが、今回はマロボスを使うと言う事で、50用の細ボスの物を加工した。素材として使ったのはキタコのPD3だが、予想通り50用も90用と同じ鋳物で、ボス穴径とブッシュのみが異なる。50用はブッシュ外径も細いので、その分中心側に溝を延長できると言う事だ。
 WR溝はこれまで90用でも行っていた高速側と低速側の溝延長加工をしているが、低速側の溝を延長する場合、WRの干渉が起こるので、必然的にWR3個仕様になる。今回は低速側を機械でガリガリ削った後、耐熱エポキシパテで壁面を再構成したので、「完全な3室」仕様になっている。

(別に削りっぱでも性能に変化はないが、自己満足度が低いので・・・笑)

 
マロボスとメタルブッシュ  左上の写真では、ボス穴をマロボスに合わせて削ってあるのだが、PD3のブッシュの材質だと、今ひとつ寿命が短い(気がする)ので、今回はブッシュを別の物に打ち換えた。これは、写真のような金属性の筒の内側を、特殊な樹脂でコーティングしてあるもので、カタログスペックを見る限り、諸々の特性がかなり期待できそうだったので採用した。
 まだ耐久性云々評価できるほど使っていないが、200km程度の使用では特にガタもなく、またボスへの異物の付着もない。今の所かなりイイ感じ・・・

(ちなみにフツーのDIYショップ等で購入できる物ではないので悪しからず)

こんな事しなくても素直にマロバリ使えばイイぢゃん、と思った貴方、「正常」です。でも、ココは末期患者のHPなので。  

プライマリ側構成部品  プライマリの各部品はこんな感じ。

 3室仕様プーリの宿命として、WR総重量の問題というのがある。
チャンバー装着車等で、トータル30g以下とかであれば問題ないが、市販
のWRで考えると、φ15のヤマハ用ではmax12gなので、計36gまで、WR
加工しても計40gあたりが最大値になる。これでうまく変速回転が合わせられればいいが、ウチの場合は、現状アドイチ純正φ17-20gx3個と言う
構成になってしまった・・・まぁ、センスプとかトルクカムの溝形状とかに
よっても多少変わる可能性はあるが。
 ランプレは当初、前作の5FA改(超変態ランプレ)を使おうと思っていたのだが、アレを使うためには更にプーリ加工が必要なので、とりあえず90用の純正ランプレで様子見することにした。
 予想外に面倒だったのが「ワッシャ」。当然ヤマハ純正とかは使えないので、結局何種類か厚みの違うワッシャを作る羽目になった。
4VP改フェイス  すっかりフェイス忘れていた。笑 
 これまでプリがキタコの時はキタコフェイス、3CP改とかの純正改の場合は2XX改フェイスという組み合わせにしていたのだが、今回はキタコプリの外径に合わせた4VPフェイス改を使う事にした。シーブ面は磨いてあるだけではなく、微妙に角度を寝せてある。これがどういう結果になるか、暫く使ってみないとハッキリしないが、とりあえず最高速側を稼ぎたいと言う事なので。
 もう一つ、フェイスは最終的にプリの変速ストッパの役目もさせているので、その辺はプリと組み合わせて見て調整する必要がある。
・セカンダリ
 セカンダリはこれまで、社外品にことごとく裏切られる結果になっていたのだが、秋ヶ瀬用に導入したFSNのビックセカンダリが非常にイイ感じだったので、今回は更に調子に乗って、KNのビックセカンダリを導入して見る事にした。
 何故ビックセカンダリか、と言うと、「目一杯ベルト落とし込みたいから」と言う事になる。ノーマルサイズのセカンダリで、ベルト落とし込むと、場合によってはベルト側面のケブラー繊維が見える位までベルトがはみ出す。この状態だと、スタート直後にベルトが滑るので、結局ベルトの落とし込みを生かしきれないのだ。逆に言うと、ベルトを落とし込まない状態で、ビックセカンダリを装着しても、全く意味無しなので・・・
   
KNビックセカンダリ コイツがKN企画のビックセカンダリキット。もう既にもといちさんの所とか、
DAYTONAさんの所で紹介されているので、ノーマルとの寸法比較とかは
そちらを参照してもらうとして、(手抜き 笑)FSNとの比較をしてみたい。
ちなみに、KITに含まれるクラッチは例の補修クラッチと同等品のようだ。
また、センスプは外径φ53、自由長70、線径φ4.3で手で押した感じは
5FA1センスプと同じ位?のバネレートだった。

下の2枚の写真がFSN(左)とKNKIT(右)の比較。シーブ外径とストローク量は同じだが、よくよく見てみるとFSNの方が溝が狭いのだ。特に高速側では、5FA新品ベルトだと完全に落とし込めない。逆に、KNの方は高速側は問題ないが、低速側の巻付径はFSNの方がローギアードに出来る。

まぁ、あくまで「ポン付けなら」って事なので、ちょこっと加工しちゃえば、
無問題なんだけど。(って言うか削ったけど・・・笑)
FSNとKNセカンダリ比較(低速側) FSNとKNセカンダリ比較(高速側)
FSNカム溝  左側がFSNのカム溝形状。FSNは直線状の3本溝で、ガイドピンではなく
ガイドローラなので、カムの寿命という意味ではこちらに分があるような
気がする。左下がKNの標準大カム。溝は「く」の字型のヤマハノーマル
形状に近いもの。下が別売りのKNカム、キタコカムのように直線溝2本と「く」の字溝1本の3パターンが選択できる構造だが、「く」の字の形状が
ノーマルとは異なり、高速域で変速しやすくなるような感じだ。カム溝は
実際に走ってみて、走行feelの合う奴を選択する事にする。
KNビックセカンダリ標準カム溝 KNビックセカンダリ 専用カム溝
・ベルト選択と変速特性
ベルト選択と言っても、私の場合は色々なメーカーのベルトを試すとか、同じメーカーでも大量に買って中からイイ奴選ぶとか、そう言う事ではない。基本的には純正5FAを使う事にしているからだ。実際にはベルトに駆動を合わせる、って言う方が近いかも知れない。
要は、

・プライマリ側のボスワッシャの量を調整して、ベルトの落とし込み量を決める。
・ベルトを落とし込んだ状態でのセカンダリ側のベルトの掛かり具合(巻付径)と初期張力を確認する。
・プライマリを最大変速状態(プーリとフェイスが接触する状態)にした時、WRがランプレから外れない事と、
 その状態でセカンダリ側が開ききっていない事を確認する。

と言う感じだ。特に最大変速時の確認は、面倒なのだが手を抜くとWRの異常変形や、ベルト破断の原因になるので・・・。
2006/1/9の駆動系・・・  で、現状の駆動系はこんな感じになっている。セカンダリ側のベルトの巻き付き径は、ほぼシーブ外周に近い所まで持って来れた。プリの変速範囲はおよそ「よえ」位までで、それなりにワイドレンジで変速出来ているようだ。カム溝はあれこれ試したが、私の場合は直線溝の立っている方が一番イイ感じだった。
 アドイチ純正φ17WR(20g)3個と、DトナのJOG用3%センスプで8200rpmで変速する。特に変な谷もなく、変速回転数もほぼ一定なので大体こんなもんかなぁ・・・・もうちょっと変速回転数下げたい気もするけど。

 今回はあれこれ同時に弄っちゃったので、きっちりした駆動にするには、まだ暫く掛かりそうだが、大抵煮詰まる前に別の物試したくなっちゃうので、常に未完成・・・笑
リーサルウェポン・・・ ?
某プリ改 超変態仕様  細軸PD3改、暫く使ったがかなりイイ。特にコーティングブッシュの効果は
自分でもビックリする程で、この2ヶ月位ボスへの汚れの付着がほぼ皆無なのだ。当然ガタもなく、もしかしたらメンテナンスフリーになっちゃうんぢゃ無いかと思う位だ。プーリとしての性能も、普通に通勤で使うならお釣りが来る。・・・そう、あくまで普通に、なら。 笑

 でも、やっぱり変態さん達に囲まれるとまだまだなので、何かネタはないものかと思っていた所に、BBさんから「細軸最強」という某車種のプリを譲って頂いたので、これまた変態化してみた。
 元々WR溝のプロフィールが立っていて、変速量が稼げそうなプリだったのだが、こいつはフェイス面も加工して、ひたすら「変速できる」様にした。
組み合わせるフェイスは2XXで、こっちもフェイス面加工・・・

 『もうこれでもかって位変速するプライマリ』

にしたのだが・・
プライマリ最大変速状態  まぁ、最大変速させるとこんな感じになる訳で、ホントにこれが生かせれば無敵の駆動になるだろうが、世の中そんなに甘くはない。

 「いくらプライマリが引っ張っても、セカンダリが付いてこれない」

 当然、セカンダリも加工して、ギリギリまでストロークは拡大しているし、トルクカムの溶接ビートもギリギリまで削っているのだが、それでもベルトの裏側にくっきり接触痕が残る。
 変速の方は最終的にストッパとかで何とかする事もできるのだが、致命的なのは変速特性で、カム溝やらセンスプやら色々とっかえひっかえ試してみたが、どうしてもリニアに加速していかない・・・orz
 やっぱりフェイス面を弄ったのが失敗だった様だ。

 ちなみにこのプリ、フェイス面再加工しようとして、しくじってお釈迦にしたのは内緒・・・

 あ、こんな所にもう一つ○○○プリが・・・ ほりさん、ありがとう。
 もうちょっと落ち着いたらリベンジするから。

(2006.3.21)
 

     
変態プリの最期  
  壁の部分が逝ってしまったPDV改 いや、フツーに走ってたんですけどね・・・いつの間にかWRガイドの壁が
割れてるし・・・orz
駆動オタ(笑)のほりさんによると、スライドピースの摩耗等でガタが出て
くるとこんな事が起こるらしい。
プリ自体はブッシュ打ち替えた3室変態プリで、結構気に入っていたのだが、こうなってしまってはどうにもならない。

あきらめて別なの作らないと・・・
 

 

  新型”変態プリ” で、急遽作ったのがコレ。

手持ちの材料(笑)の関係で、図らずも「リーサルウエポン」のリベンジを
する形になったが、どうも過変速が原因でベルト切れを誘発している様
だったので、最高速側の加工は押さえ気味にした。
今回は加工部分をほとんど機械加工にして、「手仕上げ」の部分は
ほとんど無い。また、ブッシュは例の樹脂コーティングのブッシュに
打ちかえてある。

 これで変態さん達とバトル出来る位になってくれればイイんぢゃが・・・・

                                     (2006.6.5)
 

 

 

 

  

 

 

  

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