駆動系


駆動系・・・って?
 20年以上バイクとつき合っているが、「無段変速機構」っていう奴を弄るのはGアクが初めてなので、最初はずいぶん悩んだ。いや、今も悩んでいる。
 これまで100回以上駆動開けたが、これがbestと思えるセッティングが出たことがない。迷走中の駆動ネタをHPに上げるのはどうかとも思ったが、暫定版と言うことでご了承願いたい。(明日は違う状態になっている可能性もアリ。あまり参考になりません。あしからず)
マロバリ改 & インチキWR
 マロッシマルチバリエータと言うプーリは、ブン回って仕事をする特性のプーリで、社外プーリとしては定評あるモノだ。私も結構気に入っているのだが、W/Rが高い割にすぐ段付き摩耗するのが難点だったりする。その上W/Rはどこにでも売っている訳ぢゃないもの困りものだ。3個\1900もするW/Rを何種類も買えるほどおぢさんは裕福ぢゃないので、何とかしたいと思っていたのだが、ふと、5FAプーリーとスズキのφ17W/Rの組み合わせという話を思い出した。「マロのW/Rはφ19、これをφ18にしたら面白いかも・・・」。最初は5FAノーマルW/Rの流用を考えたのだが、幅が違いすぎてNG。「合うモノがないなら作るまで!」一応機械設計が仕事なので、適当にでっち上げた図面を書くのはお手の物。いつもの10倍位真剣に設計した。

何回か試作したが、最終的には3個の樹脂パーツと2個の金属パーツを組み合わせることで、W/R重量を調整できる構造にした。
基本部分のアルミ製ウェイトに円筒形とフランジ付きの樹脂ブッシュを組み合わせると6.5gのW/Rになる。この円筒の中に調整用ウェイト4種類(1g,2g,4g,7g各3個)を組み合わせて使うと、W/R総重量で39g〜66gまで3gピッチで調整できる。(69gは作れないが72gは可)

残念な事に、ここで使用した樹脂ブッシュは工業用で、誰にでも作れるモノではないのだが、耐摩耗性はマロノーマルW/Rより数倍良い。摩耗しても樹脂ブッシュの値段なんて100円以下なのだ。(工業製品なんてそんなモノだ)

又、小径W/Rを使う場合は、プーリーのボス部分を削ってランプレが奥迄入る様にしないと低速時W/Rが暴れる。逆にボスを削ることでプーリとフィクストが離れ、ベルトが落とし込めるので出足は改善される。高速側はW/Rが小径化される事で、W/R溝の曲面に対して移動しにくくなるので、W/R重量を重めのsetにする必要がある。

既に4000km以上このインチキW/Rを使っているが、今の所最高速が伸びないことを除けば特に問題は生じていない。
問題と言えば、いー加減マロバリ自体にガタが来ているのだが・・・・・・・。

 最近マロバリ使うのやめちゃったので、当然このW/Rも使ってません。(03.11.30)
セカンダリ

・クラッチ回り
 見ての通り、クラッチアウターはカバーをひっぺがして穴明け軽量化加工をしてある。カバーを外すのに、スポット溶接の部分をドリルでさらったのだが、これが等ピッチではなかったので、いーかげんな感じに開いている。とりあえずほぼ同一円周上に開けたからいいことにしよう。>適当
 クラッチシューにはφ6.5の穴を1カ所ずつ加工。通勤仕様でクラッチミートを上げすぎると渋滞路が走りにくくなるので程々で。

・トルクカム
 5FA1のノーマルトルクカムは3FCだが、3AAが良いという話で早速交換した。5FA2のトルクカムが最初から3AAだと聞いたときは笑ったが、その後カメファクのトルクカムが発売され、すぐに飛びついた。>失敗
 カメカムの初期ロットは不良品だったらしく、明らかにフィクスト軸とのハメアイにガタがあり、オイルシールがモーメントを受け止める形になって、シールがすぐに逝ってしまうのだ。泣く泣く3AAに戻す。
 次にzeroのカムが出ると、懲りもせず購入。低速側を強化したくて溶接部を少々削ったらわすか30Kmで溶接部から分解。削りすぎと反省しつつ3AAに戻す。
 どうしてもストレート溝のトルクカムが試したくて再度zeroカム購入。今度は無加工で装着。・・・・・900Kmで溶接部より破損。 ムッとしつつみたび3AAに戻す。zeroカムは販売店に持ち込んだらクレーム扱いで新品に交換してくれた。対応が良かったのでもう一度zeroカム装着。・・・・・800Kmで溶接部より破損。
 と言うわけで、神様は私にどうしても3AAを使わせたいらしいので、現在は2個目の3AAを装着。 3AA最高!!

ドライブギアベアリング破損

 悟浄七段さんのページに、ドライブギアベアリングが破損したという情報があり、かねてからハイギアをノーマルに一旦戻してみようと思っていた事もあって、ギア室を開けることにした。今回はギアオイルを交換しなくてはならないので、会社ではなくバイク屋に行って作業を行った。オイルパンを借りてドレンボルトを外すと、いきなりイヤな予感。灰色のオイルが出てくる・・・。経験的にこういう色のオイルが出てきて中がマトモだった事はないのだ。案の定、ベアリングを回すとゴリゴリと言う感触。異音がでる所までは逝っていなかったのだが、こうなっては交換しかない。やるなら全部なので、ドライブギア周りのベアリングとオイルシールを発注してきた。
この所最高速が伸び悩んでいたのだが、これが原因だったらいいなぁ。最悪、クランクのベアリングという可能性もまだ残っているのだ。(今回ついでにクランク用のベアリングとシールも頼んできたのだが)
と言うわけで、部品入荷後即交換予定なのである。 (2003.2.3)

ドライブギアベアリング交換
 発注していたベアリング類が入荷したので、早速交換した。
 今回交換したのは、
  プライマリドライブギア部
  ・ベアリング 93306-20310
  ・ベアリング 93306-200Y1
  ・オイルシール 93102-17467
  メインアクスル部
  ・ベアリング 93311-315Y2
  ・ベアリング 93306-200Y1
  ドライブアクスル部
  ・ベアリング 93306-004X7
  ・ベアリング 93306-20310
  ・オイルシール 93102-25270
  以上8点と、ケースガスケット5DA-E5461-00である。

  ベアリングの交換は、ベアリングプーラーがないとキツイ。今回はバイク屋にGアクを持ち込んで、プーラーを貸してもらった。また、プライマリドライブギアとベアリング(93306-20310)のハメアイがキツイので、油圧プレスで圧入した。そんな訳で、駆動周りのベアリング交換は、普通の工具だけでは苦戦必至(っていうか無理)なので、ちゃんとした工具を準備してやりましょう。
 今回交換したベアリング(93306-20310)だが、パーツリスト上では6203DUと書かれているが、入ってきたものは6203LUだった。シール付きになっているのは何か理由があるのだろうか?
 交換後、しばらくは押さえ気味に走ることにしたので、最高速域での変化はまだ不明だが、あんまり変わらないような気がする。まぁ、精神衛生上ガタのきたベアリングで走ってるのはよろしくないので、気持ちよく乗れる様になったと言うことでOKか。  




フィクストシーブ加工
  前回の通勤オフの時、天狗さまに御教示いただいたネタの中に、「プライマリフィクストシーブのフィンを削る」っていうのがあったので試してみた。
 まず、加工に使うのは、以前ロックナットの緩みでフィンを折ってしまった使い古しの純正フィクストシーブで、これなら失敗してもイイって事でフェイス面も加工してしまった。フィンは若干根元部分が残る程度に旋盤で削った。フェイス面は、角度付きなので機械送りが使えずちょっと荒くなってしまったが、見習い旋盤工のスキルではこの辺で精一杯なので良しとしよう。
 
 装着してみた感じなのだが、とりあえずレスポンスはかなり良くなる。鈍感な私でも分かる位なのでかなり変化しているようだ。問題は熱だが、今の所、日々通勤で使っても特に問題は出ていない。このまま真夏を乗り切れるか、かなり不安だが
ZEROが出している奴もフィンレスなのでまぁ、良いことにしておこう。

   
スプリングスライダ
スプリングスライダ
スプリングスライダは、セカンダリのスプリングシートの上に被せて、センスプのねじれトルクをキャンセルするための一種のベアリングだ。通販で\3.5k位で売られているのだが、構造的には鋼球を溝付きの金属板で挟んだだけなので鋼球さえあればあとは旋盤で何とかなる。で、何故かφ3の鋼球が50個ばかり手に入ったので、作ってみることにした。

 鋼球が乗る溝の部分は硬い方がイイのは分かっていたが、硬いと削るのがしんどいし、そもそもそんな都合の良い材料がゴロゴロ転がっている訳がない。その辺にあるSS材でお茶を濁そうと思ったら、そのSS材すら適当な形状のものがない。やっと見つけたのが何とφ65の丸棒。スプリングスライダを作った人はいるだろうけど、φ65の丸棒から削りだした馬鹿はおそらく私一人だろう。

 でもまぁ、作るんだったら市販品より多少はマシにしたいものなので、ベアリング部分の厚さを極力薄く作ることにした最終的にはスプリングシートに比べて+3.5mm程度に収まった。とりあえずセンスプは交換しないでそのまま組んでみたが、確かに再加速時のフィールはいい気がする。熱ダレしにくいと言う話を聞くが、今の時期違いはよく分からない。最高速は若干低下したみたいだが、全体的に駆動が狂った感じなので、合わせてみないと何とも言えない・・・・。

 今の所、いいんだか悪いんだか良く分からないが、折角作ったのでしばらくは使ってみようと思う。

 04.3.14追記 結局スプリングスライダは、「ちょうどイイセンスプ」がないと使えないので外しました。泣

 

現在の駆動系 (2004.3.14)
今はこんな感じ・・・汚いけど プライマリ側は4VPフェイス(フェイス面面研)と、キタコの90用パワードライブUを使用。色々試したが、今の所これまでで一番イイ感じ。90プーリーはノーマルより小さいが、端迄使えるので、変速自体は問題ない。キタコもPOSHも、90用は高回転でブン回るので、マロバリが高くて買えない人にはお勧め。(笑) しかもW/Rはφ15の安い奴使えるし・・・

セカンダリはスライドもフィクストも、今回5FA型番の新品にしてみた。で、どうかというと明らかにスムーズ。そりゃ段付き摩耗した3AAに比べれば何でもスムーズだよな・・・。更に加工しちゃってから組んでるので、部品本来のインプレは不能。(役にたたんぢゃん)

ベルトはカメでも切れるので、どうせ切れるなら安い奴と開き直ってキタコG悪用。結構落とし込んでるので、セカンダリ側のベルトは←こんな状態。  

「デルタクラッチ様」ぢゃ! これが今回導入した、マロのデルタクラッチ。非常に高価な部品なので、普通ならおぢさんには手が出ないのだが、しょうちゃんさんから譲ってもらった。今現在唯一のマロッシパーツ。別に今までのノーマルクラッチに不満はなかったのだが、付けてみると確かに食いつく。色々と調整できるのだが、逆に触るとはまりそうなので放置。
 セカンダリ「5FA改」 セカンダリの低速側はこんな感じ。高速側も弄っちゃったので、セカンダリの動作量は14.5mmなり。
3CPプーリー (2004.8.23)
3CPプーリ、「改」  某月刊誌で有名になった”kappaさん”も使っている3CPプーリ、駆動オタクのほりさんも絶賛するのでつい買ってしまった。無論、そのままポンで付ける訳ではなく、写真のように高速側も低速側も加工する。フライスが使えないので、ボール盤にリューター用のカッター付けて削ったけど、WR溝は6本あるので、形を揃えるのが結構大変。
 その点、フェイス面は旋盤で加工できるので楽勝。
どうしても鋳肌のままのフェイス面は使う気になれない。

 で、組んでみたらフェイス面削ったせいもあるけど、落とし込みは凄い事になってる。セカンダリからベルトの繊維部分がはみ出して見えるくらいだ。一方変速feelは、とにかく回る。キタコの90用も回ると思ったけどそれ以上に回る。TOPはほとんど変わらないので、キタコより変速範囲は広くなっているようだ。
 WRはとりあえず8x3+7x3で使っているが、まだ完全にあって無い感じ。
 

フェイス面も薄く削ってます・・・・。 3CP改付けたときのセカンダリ側
変態プーリ
KN補修用プリ改・・・\1900だがマロバリ並の性能?  結構お気に入りの3CP改、ある日駆動ばらすと何故かWRが落ちてこない。よくよく考えたら、低速側削り過ぎるとWR同志が干渉しちゃうのよね・・・・。(先に気付けよ)

 で、3CP改はボツ。干渉するならWR3個でやればイイぢゃんって事で作ったのが←コレ。
 モノはKNの90用補修プーリ\1900である。どうせ加工しちゃうので、安い奴でイイやって買ってきた。見れば分かる通り、3室分低速側をこれでもか、って位削ってある。高速側はご丁寧に肉盛りしてあったので、これまた加工。
 ちなみにフェイス面はキレイに加工してあったのでそのまんま使用。
 流石にこれだけ削ると低速側はかなーり落とせる。最高速もまぁまぁなので、当面コレで行ってみるかな。
 ただ、WRが3個なので重量合わせがめんどくさい。一緒に写ってるのはDトナスズキ用17φの外周をφ16に加工したモノ。WRはφ15だと重量的に重くできないのと、ランプレが当たりまくっちゃうのでφ16を採用。
ランプレに付いたWR痕  ←これはKN改プリと組み合わせて使ったランプレ。
 (これまたKNの補修用)
 左側はキタコPD3と組んだ時付いたWR痕、右側がKN改変態プリと組んだ時のWR痕。
 説明するまでもなくWRの移動量が増加してるのが分かると思う。ちなみにプライマリの移動量は12.5mm確保。

 

 

 


 (2005.1.1) 

変態ランプレ
KN補修用ランプレ改・・・・¥850だが効果はどうかな  以前からやってみたいと思いつつ、加工方法で挫折していた『ランプレの加工』、フライスが使える様になったので、練習がてらやってみた。
 ケータイカメラの画像なので、見にくくて申し訳ないが、 ランプレのWRが当たる面を、1度ほど急角度になるように削り込んで、低速側の落とし込みを強化した訳だ。
 削る事自体は大した作業ぢゃないが、ランプレを位置決めするジグを作る方がめんどくさかった・・・・まぁ、フライスってそう言うものだろうけど。

 で、効果はどうかというと・・・・ワッシャ0.5mm分位の効果はある感じ。逆に言うとこれと変態プーリの組み合わせでは、φ16のWRでもランプレがプーリに干渉ギリギリ。
 特に変速途中の谷とか、最高速の低下等はないが、このランプレ使うと、


 『半端なくWRが減る』

 まぁ、折角作ったから使うけどね・・・・

 ちなみに色が変なのは、makotoさんの所でパクって来たネタをランプレに適用してみたから・・・・ 
 
  (2005.3.6)

変態ランプレその後
をを〜 しっかり割れてるし・・・・  とりあえずまぁまぁかな・・・・とか思いつつ使っていた変態ランプレだが、見ての通り

 
「見事に割れました」

 薄い板金無理矢理削ったので強度が低下している上に、WR3個仕様で更に局部的に負担掛けたんで無理もないのだが・・・・

 しかし、コレで懲りるかと思いきや・・・↓

 

 

 


超変態ランプレ(笑)
超変態ランプレ・・・もはやランプレに見えないかも・・・・  ますます変なモン作っちまった・・・ 爆

 コレ見て材料が何か即分かった方は、間違いなく末期。

 何処のGアク乗りのご家庭にも、不要品として必ずある

 『5FA純正ランプレ』

 
です。

 今度は最初からWR3個専用として加工したので、使わない部分に穴明けとかしてみた。黒いのは耐熱黒スプレーで塗装したから・・・・
 無論、外径は90用よりでかいので、90プリ使うなら外周の加工も必須。スライドピースの形が90プリに合わないけど、ソコは「見なかった事にする」で解決。 爆



(2005.9.19)

 

 

 

  

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